アメリカ、ユタ州ソルトレイクシティのYMCA。
やって来ました、伝説のファーストミスター オリンピア、ラリー スコット。
肩から重そうに太っとい腕をぶらさげて、ゆっくりと歩いてきます。
それは、まるで象が鼻をゆっくりと左右にゆすっているといった感じでした。
エッ、オーバーですって?
いや本当にそんなイメージだったんです。
本かなにかで、腕が重くて肩が凝って困ると語っていたようですが…
(ボインのお姉さんじゃあるまいし)。
そんなスコットに教えてもらったトレーニングを紹介します。
【上腕二頭筋】 BICEPS
@プリーチャーベンチダンベルカール
Aプリーチャーベンチバーベルカール
BプリーチャーベンチEZバーリバースカール
※@〜Bを休みをとらずに各6回プラスバーンズ3〜4回を行ない、それを1セットとし5セット。
【ポイント】
※フォームを正確に。
@Aではプリーチャーベンチにのせた両肘を出来るだけ近づけ、グリップを広くして前腕が逆ハの字になるようにする。
(二頭筋の内側ピークに効く)
※動きはフルレインジで行ないボトムポジションにおいて、手首まで伸展させる。降ろす時はゆっくり降ろす。
※セットの終わりに動きのトップポジションで3〜4回のバーンズを行なう。
【バーンズとは】
セットが終了したあと、トップポジションまたはボトムポジションで1/3〜ハーフレインジでレップを繰り返し、
筋肉に焼け付くような感じを得るまで追い込むテクニック。
※エクササイズは、ボトムポジションからスタートする。
※ウエイトは6回反復出来る重量で行なう。
以上の@〜Bを5シリーズ行なったあと、
○オールタニットカール
○スパイダーベンチカール
○フラットベンチ ダンベル カール ライイング
などのうち1種目を3〜4セット
これは、トレーニングのマンネリ化を避けるためである。
また、ラリー スコットのトレーニングで特徴的なのは、
トライセットにEZバーリバースカールを組み込んだり、
各種目のボトムポジションで手首をいっぱいに伸ばすことによって、
上腕二頭筋とともに前腕も鍛えることである。
それに腕の日には他の部位はしないのも特徴的だ。
これを週2回の頻度で行ない、セット間のインターバルはパートナーがトレーニングしている間のみで短い。
現代の感覚からすればトレーニング日の間隔が短すぎるのではないかと思われるが、
トライセットやバーンズを用いて短時間でハードに鍛えるやり方は、
今流行りのハイインテンシティートレーニングと相通じるものがあり、充分に参考になるのではないだろうか。
スパイダーベンチカール、フラットベンチカールライイングは、
私もお気に入りの種目であるが、スパイダーベンチは置いているジムが少ないため、
もっぱらフラットベンチカールライイングを好んで採用している。
どちらもプリーチャーベンチカール以上にアイソレーションのきつい種目で
チーティングを使わずに比較的軽いウエイトで行なえるので、
ホームジムトレイニーにもお勧めです。
ウエイトを降ろす時、ネガティブを効かせてゆっくり行なえばさらに効果的です。
【上腕三頭筋】TRICEPS
@EZバー ライイング トライセップス プレス
Aロングプル トライセップス イクステンション
※@Aを連続して休みなしに8回プラスバーンズ3〜4回を行ない、それを1セットとして5セット。
【ポイント】
@は上腕を固定し、三頭筋だけを使うように意識して、押し上げゆっくり降ろす。
Aはベンチの上に両肘を固定しチーティングを使わない。
ラリー スコットお勧めプリーチャーベンチ
腕を固定する面が平面ではなくアールになっている。これを使うことにより腕を完全に伸展できる。
また、ウエイトを挙げる時に、アール面をうまく利用することにより高重量を扱える。
ラリー スコットお勧めロング プルトライセップス用ベンチ
中央の空間に頭を入れることにより、上腕をより楽にしっかりと固定することが出来る。
【肩】DELTOID
ラリー スコットの肩は、
自ら「キャノンボールデルトイド」と呼ぶように、彼の偉大な腕にも勝るとも劣らない素晴らしいものだった。
そんな彼の特徴的なエクササイズを紹介します。
@サイクル ダウン ザ ラック ダンベル プレス
Aサイドレイズ
Bベントオーバーサイドレイズ
※@は最も特徴的なもので、
ダンベルラックの上に例えば30キロ(6回できる重量)、25キロ、20キロ、15キロと
使用するダンベルを並べて準備します。
ラックの前に立ち、まず30キロのダンベルを両肩の上のスタートポジションまで持ち上げ、6回行ないます。
すぐに25キロで限界、20キロで限界と次々に行ない、
休む間もなく、今度は15キロで限界、20キロで限界、25キロで限界と行ない1サイクルを終わります。
それをトータルで3サイクル実施します。
この時、ダンベルはシャフトが逆ハの字になるように持ち、大腿部をラックにもたれるようにあてがい体を固定します。
ABもダンベルラックの前でダウン
ザ ラック法を好んで採用する。
※ラリー スコットは肩のトレーニングには好んでダンベルを用い、
ここでもダウンザ ラック法によって短時間で激しく追い込むハイインテンシティなトレーニングを行なっている。
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