BIG TOEの個人的トレーニング史
このページは非常に退屈なページです。書く必要ないかとも思ったのですが、自分を少しでも知ってもらいたいと言う私のわがままから書きます。時間がない、電話代がもったいない、読みたくない方は遠慮せずスキップしてください。

プロローグ

私が初めてボディビルというものの存在を知ったのは、高校時代。
友人大森君の家の本棚にズラリと並べられた「ボディビルディング」誌を手に取ったのがその瞬間でした。「巨大ビルダー出現」のタイトルの下で誇らしげにサイドチェストのポーズをとる2メートルの大男。この優に60センチはあるのではないかと思われる腕と部厚い胸板をもつ大男こそ、後に映画「パンピングアイアン」でアーノルドシュワルツネガーとミスター オリンピアを競うルー フェルグノでした。「デッ、でかい…」 心の中で思う一方、当時熱狂的な相撲、プロレスフアンであったためか「見かけよりも強さだよ」なんて思ってた頃でもありました。,
それから2年後、大阪のナニワ ボディビル クラブの門をたたくことになります。きっかけは、大学の夏休みに久しぶりに会った大森君の筋肉隆々な身体への変貌ぶりでした。しかも驚いたことに見かけ相応に、いやそれ以上にパワーを備えていたのです。走れば速い、ジャンプすれば高く跳ぶ、腕相撲は強い、泳ぐ姿はまるで大海原をグイグイと泳ぐ恐竜のようでした。
加えて、偶然ブラウン管に現れたアーノルドの勇姿。ニコニコ笑いながらのモーストマスキュラーポーズ、後から後から湧き出るように筋肉が盛り上がってくるバックダブル バイセップス。
「ボディビルダーはすごい、カッコイイ、力もある」そう呟いていました。
どうやら私はとても影響をうけやすい人間のようです。
気がつけば、ジムの入会申込書にサインしてました。


初期のトレーニング

ジム入会当初、なんせボディビルの知識なんて全くない私でしたから、只々、種目とセット数を増やし続けました。気がつけば、胸の種目はベンチプレスから始まり、ダンベルベンチプレス、フライ、インクラインプレス、ディクラインプレス、プルオーバー、ディップスと7種類に及んでいました。早くでかく強くなりたいの一心からでした。チンニングに至ってはまともに懸垂もできないのにジムの先輩に混じって10回×10セット、10回出来ないときは、不足の分をセット数を増やして消化するといったやり方をやってました。初めての時は消化するのに15セット位かかったのを覚えています。それが終われば即ディップスに移って同じ要領でやるのです。
結果、トレーニング翌日は身体中が痛くて10分位ふとんの上から動けず、トレーニング中には2度ほど食べたものをもどしたこともありました。今から考えると、身体がまだウエイトトレーニングに慣れていなかったからとも思いますし、それ以上にウエイトトレーニングは端から見ている以上にきついもので、いきなりムチャやったかなとも思わなくはありません。
こんな話をマイク メンツアーやドリアン イエツが聞いたら「こいつアホちゃうー」と笑われそうですが、当時は真剣でしたし、それなりに得るものがあったとも自負しています。「回り道せんと見えへん景色もあるんやでー」 そのころはいわゆる「多いことはいいことだ」という「量の時代」だったのです。
入会から1ヶ月は月、水、金の週3回全身をトレーニングしていた私もやがてスプリットルーティンというものを覚え、月、火の2日で全身をまわり、水、木休み、金、土で全身、日は休みというサイクルへ進んでいきます。


バーベルの上にも3ヶ月

それでも私の身体は変化を始めました。それに気付いたのは、入会後3ヶ月が経過した頃です。
場所は銭湯、鏡の前、「おっ、何か3頭筋が出てきた気がするぞ」上腕部に1本のラインを発見したのです。この時以来、今日まで鏡の前に立つと自然に筋肉に力がはいるクセが続いています。「そりゃ、病気やで」「その通り。でも安心してくださいこの病気はうつりません」
「えっ、ナルシスト?」「その通り…い、いやちがいます。あくまでも、トレーニングの成果を筋肉に問いかけているだけなのですから」
ここで私が言いたいのは「私がナルシストであるかないか」ではありません。「石の上にも3年」と言いますが、トレーニングを始めて効果を実感出来るのは3ヶ月程度かかると言うことです。これは、人間の身体を構成する筋肉、内臓の組織が新陳代謝を繰り返して、その約半分が新しい組織に入れ替わるのに約3ヶ月を要するということです。
ビギナーの皆さん、「バーベルの上にも3ヶ月」 トレーニングを始めたら最低3ヶ月は続けましょう。それまでにケツをわってはいけません。
方法として、ジムに入会される方は、3ヶ月分、会費を前納することをお勧めします。そして3ヶ月は「もったいない」と思って通ってください。家族、友達、恋人に「シェイプアップ宣言」をするのもひとつの手です。特に彼女、彼氏に「あんた、口ばっかりや」と言われたくない人には効果的です。私自身、ある人に「○日までにデッドリフト230キロあげたる」宣言をして達成したことがあります。
そして、自分自身で変化を実感できたら、第一関門突破です。


人生の別れ道

そうこうしているうちに、時間の経つのは早いもので、大学を卒業し就職することになりました。とりあえず志望の会社に入ったのですが、すでに食事やトイレと同様に生活の一部となっていたトレーニングが出来ないと言う理由であっさりと1年で退社。しばらく専門学校通いをした後、友人の紹介で大阪のデザイン会社に勤めることになりました。そして再びジムに戻ることになります。
人生には、途中いくつもの別れ道があると思いますが、自らの意志でボディビルの道へ踏み込んだことから、人生は大きく変わりました。今はこの選択の良否の判定は出来ませんが、いつか天に召される時、微笑みながら逝ければと思っています。


トレーニングパートナーSATO

ジムに戻って数ヶ月経った頃、見慣れない肩幅の広い青年がトレーニングしているのに遭遇し
一目見て、「こいつは素質がありそうだな」と感じました。お互いに察するところがあったのか、我々はすぐにトレーニングパートナーを組むことになります。
パートナーを組むのは、彼が2人目で、1人目は学生時代に神大生だった新井氏で、夏休み中、2人でお茶酌みのバイト後、ジムでトレーニングという毎日でした。彼は頭が良く、怪力でしたので、短い時間でしたが、私は彼から多くを学び、影響を受けました。本当に私は影響を受けやすい人間のようです。
さて、里氏ですが、当時、求人関係の会社の営業マンをしていました。後にジム経営、リハビリ技師として活躍する多才な人物です。彼とのトレーニングを紹介します。


Aコース (胸、肩、三頭筋)

  1. ベンチプレス 1〜10回×5セット ※たまにフォースドレップス採用
  2. インクラインベンチプレス 5〜10回×5セット
  3. フロントプレス 1〜10回×5セット
  4. トライセップスイクステンションライイング5〜10回×5セット

Bコース(背、二頭筋)

  1. チンニング 限界回数×5セット
  2. ベントオーバーローイング 5〜10回×5セット
  3. ツーハンズカール 5〜10回×5セット

Cコース(脚、カーフ)

  1. ナロウスタンススクワット 1〜10回×5セット
  2. レッグカール 5〜10回×5セット
  3. カーフレイズ 10回〜20回×5セット

オーソドックスなピラミッド法でベンチプレス、フロントプレス、スクワットを。あとは通常のセット法
テクニックはベンチプレスでフォースドレップスを行う程度。
種目、セット数共に、今までよりうんと少なくなり、使用重量が目に見えてアップしてきたのもこの頃でした。この一見オーソドックスなピラミッド法、セット法が、パワーアップに最適ではないかと今でも思っています。この際、1セット、1セットを全力で行ない(もちろんウオーミングアップセットは別です)、疲労だけを残すような無駄なトレーニングは避けるべきです。 但し、筋持久力のアップを狙っている場合は、この限りではありません。
トレーニング開始後、2〜3ヶ月、週3日程度のコンスタントなトレーニングを続けて、一応の基礎体力のついた人にお勧めです。
もちろん、さらなる飛躍を目指すときは、ディセンディングセット法、フォースドレップス法、ネガティブ、スロームーブ、レストポーズなどのテクニックも必要となってきますし、もっとパーツを細分してトレーニングする必要も出てきます。しかし、あくまで基本はセット法です。
スランプに陥ったとき、壁をぶち破るため、マンネリ化を防ぐためのものと考える方が賢明です。私自身、思い起こせば、ジムで見かけたバルキーなビルダーたちはほとんど例外なくオーソドックスなトレーニングを主体にしていたと思います。
ビギナーのうちは細かい種目やテクニックにこだわらず、オーソドックスなトレーニングでまずでかくすることを考えるべきです。
もちろん食事休養を忘れてはいけません。ジムの会長がよく言ってました。「若いうちは借金してでも食え」って。


コンテスト初出場



1980年夏 ついにミスター大阪に初参戦する日がやって来ました。
体重は69キロ、いわゆるバリバリ。専門家の目から見れば痩せすぎかもしれません。この日をターゲットに3ヶ月にわたって生まれて初めての減量に取り組んだ結果です。約10キロ減りました。ところが、ベンチプレスの挙上重量も100キロがやっとというところまで落ちてしまっていたのです。
今から思えば、トレーニングはともかく、コンテストに向けての食事はひどいもんでした。朝はゆで卵2個、昼は飯屋で小飯とおかず小、夜はサバ缶と生野菜どんぶり1杯。間食にプロテインパウダーを水で溶いたものを数杯という内容でした。これは、大失敗の例ですので決してまねをしないでください。愚の骨頂です。
トレーニングは前述したものとさして変わりのない内容でしたが、シットアップとチンニングだけは鬼のようにやりました。と言うのも前年コンテストを初観戦したときに、しろうとなりに「コンテストは逆三角形と腹筋だ」と感じたからに他なりません。朝起きたら腹筋、トレーニング前に腹筋、後にも腹筋という具合で、夜中に腹が熱を持って痛み、エアーサロンパスを吹き付け、枕を腹にあてて寝たことを覚えています。
結果は、ラッキーにも新人1位をいただきましたが、反省、反省の初陣でした。
この後、数年間泣かず飛ばずの冬の時代を過ごすことになります。

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